土佐八升豆コラム

昔は八升豆が
拷問に使われちょった
って、ほんまかえ?

昔は八升豆が
拷問に使われちょった
って、ほんまかえ?

🫛土佐八升豆コラム

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高知県の伝統野菜の「八升豆」。一度、栽培が途絶えてしまったこの豆を、仁淀川が流れる日高村を中心に「土佐八升豆」として復活させました。

土佐八升豆のサヤの表面にはびっしりと毛が生えていて、そのチクチク加減はかなりのもの。 収穫や脱穀のときは、手も足も、なるべく顔まで完全防備が必須です。

実はこの“チクチク”を利用して、昔はなんと拷問に使われていたという噂があるんです。

真実なのか、ただの伝説なのか?今回は、八升豆を知り尽くす八升豆研究の第一人者・藤井教授にその真相を聞いてきました!

藤井義晴教授
農林水産省農業技術研究所、農業環境技術研究所、四国農業試験場、独立行政法人農業環境技術研究所、東京農工大学の名誉教授などを経て、(現)鯉淵学園農業栄養専門学校 教授。八升豆を広げる活動を精力的に行なっている。

村上由佳

大学を卒業してすぐに岡山から高知県日高村に移住し地域おこし協力隊に着任。協力隊卒業後は、日高村の地域活性を推進しているnossonに所属し活動中。あだ名はむっちゃん。

むっちゃん

藤井教授、八升豆の毛って、昔は拷問に使われていたって本当ですか?

藤井教授

それは本当ですね。しっかりと昔の文献にも残っています。

むっちゃん

ええええ!本当ですか!

藤井教授

そう。罪人に罪を自白させるための自白剤として使用されていたんです。 八升豆のサヤには細かいチクチクとした毛がたくさんあります。その毛とナメクジを一緒にすりつぶしてドロドロしたものを、容疑者に飲ませるんです。

むっちゃん

想像するだけで、嫌ですね(笑)。それで本当に罪を犯した人がわかるんですか?

藤井教授

そう、本当に罪を犯したものはこれを飲んだら苦しみ、罪を犯していないものは苦しまないんです。さて、それはなぜでしょう?

むっちゃん

へえ〜おもしろいですね!う〜〜〜ん、なんででしょう…。 罪人は緊張していて、喉がきゅっとしまるからチクチクした毛が刺さるとか?

藤井教授

いい線をいってます。罪人の「心理」と「喉」が関係ありますよ! 容疑者が飲む前に「罪を犯したものは苦しむが、犯していないものは苦しまない」と説明をするんです。 すると罪を犯しているものは、怖くておそるおそる飲む。すると毛がのどに刺さって、もがいて苦しむことになる。 一方、罪を犯していないものは、怖いものがないのでえいっと一気に飲む。すぐに喉を通り胃にさえ落ちてしまえば消化され、苦しまずにすむんです。

むっちゃん

なるほど!毛はナメクジに覆われているので、一気に通れば毛が喉に刺さらないのか!

藤井教授

今の時代でもやってみたら(笑)?

むっちゃん

つまり、嘘発見器ですもんね。今だったら浮気調査とかにぴったりかも! でも、そもそもなめくじ飲むのが嫌だからどちらにしても一気飲みできなさそうですね……(笑)。

藤井教授

あははは!とにかく 八升豆の毛は拷問に使われるほど危険。肌に触れたり吸い込んでしまうと危ないので、栽培する人やサヤごとの豆を調理する人は気をつけなければいけないですよ。

むっちゃん

八升豆が拷問に使われていたという噂は、本当だったのですね。 より一層気をつけなければと感じました……。本日はありがとうございました!

藤井教授

はい。気をつけて、万全の対策をすれば大丈夫です。 引き続き、栽培を頑張ってください!